3、漢方薬に類似した自然健康素材のこと
ストレス・高齢化社会を迎えて、西洋医学だけでは対応しきれないさまざまな不安定愁訴を訴える人が増えています。
このような人には漢方薬は全身の調節作用を持っており、有効な治療手段ともなります。
ところで漢方薬は、機能性の疾患、現代医学的治療に反応の乏しいもの、現代医学的治療で副作用をあらわすもの、現代医学的治療を行い、検査所見で改善した後も愁訴が残るもの、検査上正常でも愁訴があるもの、虚弱体質者、高齢者の諸種の愁訴等に対して適応されています。
このように漢方薬は、さまざまな生体調節作用があるので、心身症に応用されることが多いのです。
ストレスと体の反応という面からみると、ストレスによってわたしたちの体の防御能、特に免疫機能が下がることがわかっています。
そういう防御能を回復するものとして、漢方薬は効果があることが研究面からも明らかになっているのです。
その漢方薬に類似したはたらきをする自然健康素材もあります。
世界的に有名なものに大河・長江(揚子江)の南を主産地とする忘憂草(金針菜)、東北地を産地とする黄花菜を主体に全部で11種類のシードとハーブ、動物原料などです。
現代社会は不安、疲れ、交通ラッシュ、転勤、リストラ、退職、複雑な人間関係、家庭内問題などあらゆるストレスに囲まれています。
忘憂草や黄花菜は、これらのストレスで神経をすり減らしている人々の心に安らぎを与え、夜の安らかな眠りと昼のストレスに強い体をつくってくれる自然健康食品です。
◎素材
古くから使われてきた多くの素材があり、いずれも精神神経の安定に役立ちます。
そして、不安と憂鬱を取り除くことにより、睡眠を改善します。
そのはたらきは大まかに次のようになります。
・鎮静:7種類・・・忘憂草、萱草花、ネムの花、ハスの実、ユリの根、サネブトナツメ、アコヤ貝真珠層
・強壮:3種類・・・エゾウコギ、甘草、ナツメ
・補心:1種類・・・小麦胚芽
※補心=心臓の疾患に対する(生薬)
◎作用のしかた
・中枢神経の活動を調節し、ストレスに対する抵抗力をつける・・・エゾウコギ
・養心安神・・・忘憂草、萱草花、サネブトナツメ、ネムの花、小麦胚芽、ユリの根
※養心安神=精神力を強くし、精神を安定させる。
・清心除煩・・・ハスの実
※清心除煩=イライラの状態を解除
・鎮静安神・・・アコヤ貝真珠層
※鎮静安神:不安と憂鬱を除き睡眠を改善する
・健脾益気と滋養強壮・・・甘草、ナツメ
このように一口に」「鎮静」といっても、さまざまなケースに対応するのが漢方の特徴なのです。
◎このような人に
・ストレスによって起こる自覚症状:イライラ、不眠、頭痛、動機、肩こり、腰痛、けん怠感、疲れ目、食欲不振、吐き気、下痢、根気が続かない、 やる気が出ない など
・心身症:神経性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、過敏性大腸炎など
◎抗うつ剤や睡眠薬との違い
抗うつ剤や睡眠剤は、個人差や習慣性・依存性がありますが、忘憂歓は自然の素材でつくられているので副作用がほとんどなく、体にやさしく、 どんな体質の人にも使えます。
特に生活が不規則になりがちの方、中高年の方におすすめします。
【事例】
・更年期障害に高血圧、自律神経失調症が重なり、頭がぼーっとなる、意識が薄れる、不眠、食欲がないなど、30年間苦しんだ。
漢方を使って 1週間ほどでみるみるよくなった(55歳の女性)
・睡眠が昼夜逆転しており、夜になると騒ぎだし、夜中の3時くらいまでわめき散らしていた。
漢方を飲み始めてから、夜10時には寝るようになり、精神的に安定した(70歳の女性)
・冷え性で肩こりがあり、不眠が続いたが、漢方を試したところ、効果が出て、朝の目覚めがよくなった(58歳の女性)
・半年前から睡眠薬を飲んでいたが1時間おきに目覚め、脱力感があり足がだるい。
18日目ごろより少しずつ漢方の効果か、1か月後には朝まで目が覚めなくなった(42歳の女性)
・片頭痛があり、鎮痛剤の効果があまりないので漢方を使用。
1週間目ごろより病状が改善され、イライラがなくなり、頭もすっきりした(28歳の男性)
・不眠とストレスがたまり、自律神経失調症のために耳鳴りまで・・・。
漢方の使用20日間で病状が改善されたようだ(30歳の女性)
・慢性の生理痛に悩み、生理が始まる5~7日前に漢方を使用、痛みが止まった。
漢方素材が鉄分が多いので生理出血後の貧血にもよい思う(女性)
・出産後うつ病にかかり、家から一歩も出られなくなる。漢方を使いはじめて3日目ごろより快復し、1か月後にはほとんどなくなった(27歳の女性)
中国・伝承医学シリーズ 心身の危険を知らせるシグナル【監修】 三浦 於菟 ストレスの謎を解く より引用
***********************************
「ストレスの謎を解く」
○監修者略歴
三浦 於菟(みうらおと)
東邦大学医療センター大森病院
東洋医学科教授
著者略歴
1947(昭和22)年生まれ
1973(昭和48)年 東邦大学医学部卒業、同大学第2内科入局
1979(昭和54)年 国立東静病院勤務、漢方療法を研究する
1984(昭和59)年 中国・南京中医学院、
1987(昭和62)年 中華民国・中国医薬学院に留学
日本医学大学付属病院東洋医学科助教授を経て、
2005(平成17)年 2月より東邦大学医療センター大森病院東洋医学科教授
〔著書〕
『東洋医学を知っていますか』(新潮選書)
***********************************
※資料を店頭で配布しております。
お気軽にお問い合わせください。
***********************************